双極性障害
○主な症状
双極性障害は、うつ状態とその対極の躁状態をくりかえす、慢性の病気です。薬でコントロールすれば、それまでと変わらない生活をおくることが十分に可能ですが、放置していると、何度も躁状態とうつ状態を繰り返し、その間に人間関係、社会的信用、仕事や家庭といった人生の基盤が大きく損なわれてしまうのが特徴です。
○治療
双極性障害には、気分安定薬と呼ばれる薬が有効です。躁やうつが治まっている期間は何の症状もなく、まったく健常な状態になります。しかし、この期間に薬を飲まないでいると、ほとんどの場合、躁状態やうつ状態が繰り返し起こります。治療がきちんとなされていないと、躁状態やうつ状態の間隔はだんだん短くなっていき、急速交代型(年間に4回以上の病相があること)となることや、薬が効きにくくなることがあります。
双極性障害では躁状態の期間よりも、うつ状態の期間のほうが長いことが多く、また本人は躁状態や軽躁状態の自覚がない場合が多いので、多くの患者さんはうつ状態になった時に、うつ病だと思って受診し、正確な診断がつかず、治療がうまく進まないことがあります。